次はどこへ行こう。イタリアに来たものの、次に行く都市や国を全く考えていなかった。
インターネットでイタリアの見どころを調べてたけど、あまりビビっとこない。なんとなく、ヴェネツィアに行こうかなと考えていた。ヴェネツィアは水の都と呼ばれていて、文化遺産にも登録されている。
でも行くことにしたのは、スイスのツェルマット。マッターホルンのふもとにある、自然あふれる町。ミラノから電車で簡単にスイス入りできるらしい。
スイスの風景にはずっと憧れを抱いていて、パソコンの壁紙にするほど。ツェルマットのことを調べるうちに期待が膨らみすぎて、イタリアから出ようという気持ちになった。
前日のうちに、朝8時半発のチケットを買っておいた。行先はスイスのBRIG(ブリッグ)。ブリッグでツェルマット行きの電車に乗り換えるらしい。
出発当日の朝、ミラノ中央駅へと向かう。この時期のヨーロッパの朝は、日本に比べて暗い。
スイスのブリッグまでは2時間ちょっと電車に乗ります。朝ご飯を食べないとお腹がすくので、駅前の店に入る。
もちろんマクドナルド。
マクドナルドにはハンバーガーなどのほかに、クロワッサンなどのパンを中心としたマックカフェというものがある。この日の朝食は、コーヒーとクロワッサンのセット。
朝ご飯を食べ終えて、駅に向かう。
便意を催したので、トイレを探す。だが見つからない。駅とかだと、トイレマークやWCへと案内する標識があるはずだ。広い駅の中をひたすら歩き回るが全然見つからない。この時点で出発20分前。駅のマップを見つけてトイレの場所を確認する。もう時間が迫っているのでダッシュ気味で向かう。
この辺にトイレがあるはず・・・どこにもない!
出発10分前、乗り遅れるのは嫌なので電車に向かう。電車ならトイレがついてるはずだから。
さようならイタリア。滞在は4日だった。
電車はスイスへと向かう。便意はいつの間にかなくなっていた。
スイスに入る直前パスポートのチェックがあったけど、特に何も引っかかることはなくスンナリいった。
ブリッグに到着。「ついに念願のスイスに来たぞー」と思うもブリッグ駅前はスイス感があまりなかった。
ここで電車を乗り換える。ホームはブリッグ駅入り口の目の前。
ツェルマット行きの電車を発見。電車の中の駅員に「これはツェルマット行きですか?チケットはどこで買うの?」と聞いてみると「駅の中だよ」と言われた。
オフィス前に行くと、さわやかな男性職員がいて、ツェルマットに行きたいと言うと、ササっと券売機を操作してくれた。支払いはクレジットカードか現金でできた。スイスの通貨はフランですが、ユーロも使えた。お釣りはフランだったけど。
チケットを買っている間にさっきのツェルマット行きの電車は行ってしまっていた。次の電車まではあと1時間ある。
ここで恒例の物価チェック。スイスの物価はクソ高いと言われているけど、どの程度なのか。自動販売機に近寄って覗いてみた。
コーラ500mlが、4.5フラン。
4.5フランは円にするとどのくらいだろう。
なんと500円。え?ごひゃくえん?
顎が外れるレベル。そっと自動販売機を後にした。
便意は感じなかったけど、電車の中の風景を見ている最中に、催したくないなと思ってトイレに行きました。トイレはロックされていて、ドアを開くのに1フランかかります。1フランて100円もかかるのか。1フランをコイン投入口に入れる。ドアを開けようとするけど開かない。
ドアノブをひねったり、押したり引いたりしたけど無反応。
1フラン吸われたー。
女子トイレに人が来たので、どうやってドアを開けるのか観察した。1フランを入れて、すぐにノブをひねったりするけど開かない。ドアを勢いよく押したら開いた。
なるほど、押すのか。
気を取り直して1フランを投入。すぐにドアを押す。開いた!
トイレの中は個室というわけではなく、洗面台、男性用の小便器がいくつかと、個室で大便器がありました。
スッキリした後は電車の時間が近づいてきたので、ホームへと向かう。すでに電車は来ていた。
あまり人は乗ってない。
電車が走りだす。「スイスの鉄道に揺られたい」という夢が叶った。最初はスイスっぽい風景を感じられなかった。VISP(ウィスプ)という駅を過ぎると、期待していた自然あふれる風景が広がる。
小奇麗というか洗練されているような風景に感じた。高い山、きれいな川、オシャレな造りの家が見える。ヤギやロバ達が草原にいて自然豊かな風景が続いた。日差しが気持ちよくて危うく寝そうになったけど我慢した。
窓が開かないのだけが残念だった。
ツェルマットに到着。少し肌寒い。マッターホルンが見える。
ツェルマットは環境保護のため、電気自動車しか走ってない。すごい静かだし、空気が澄んでいる。
登山者が多いためか、アウトドアグッズのお店が多く立ち並んでいる。観光客もトレッキングポールを持っている人を多く見かけた。ツェルマットはスキー場も有名なためか、スキー板を持っている人も多い。
googlemap上にホテルの場所をお気に入り登録しておいたのでスマホを開いて確認しようとする。
あれ?ないぞ。
お気に入り登録したら、地図上に☆マークが表示されるはずがない。wi-fiが使えるお店も近くになさそう。駅前の旅行インフォメーションに行って聞いてみよう。
やってないし。
途方に暮れていたけど、インフォメーションの建物内に観光マップがあった。泊まるホテルの名前は覚えていたので、その地図に載っているか見てみたらあった。
ホテルの部屋はインドのレー以来の個室。値段は朝食付きで6000円くらい。過去最高の宿代だった。
宿に荷物を置いた後、有名なゴルナーグラート展望台に向かう。展望台へは赤い電車に乗って、高度3130mを一気に駆け上がっていく。ゴルナーグラートに向かう電車には、ツェルマット駅の正面にある駅から行くことができる。
チケットを買おうとする。値段を聞いて驚愕。96フラン!くっそ高い。
「ここまで来て乗らないわけにはいかない・・・覚悟を決めるか」と思っていたら、1日券が96フランとのこと。他にアフタヌーンチケットというものがあって、15時半から19時の時間限定のチケットだと半額の48フラン。
スイスパスというものを持っていたらもっと安くなるらしいけど、持ってないし、手に入れ方もわからない。僕はスイスパスの存在を知らずに来てしまったけど、スイスに行く予定のある人は、このスイスパスについて絶対調べておいたほうがいいです。場合によってはスイスの公共機関に乗る際は普通にチケットを買うよりかなりお得に移動することができる。特にバックパッカーだと、予定変更していろいろ違う都市に行くという事なんて当たり前なので、かなりお金を節約することができるはず。
この展望台に向かう電車、すご過ぎて混乱した。自分の感性と風景がとんでもなく合致した。
次々と過ぎ去っては現れる絶景に、もはや訳が分からない状態。
途中、いくつか駅の停まります。どんどん標高が上がっていきます。
街がどんどん小さくなっていく。
マッターホルンもハッキリと見えてくる。
電車の中で、たまたま反対側の席も空いてたので、右往左往して写真を撮りまくった。
ハイキングコースを歩いている人たち。
周りが雪景色に。
Tシャツの上にパーカーを着ていたけど、めちゃめちゃ寒くなってきた。こんなこともあろうかとリュックに忍ばせておいた、ユニクロのウルトラライトダウンを着た。
終着駅。奥に氷河が見える。
360度、すべてが壮大すぎる。
GoProで動画撮ったけどマシンパワーが低くて、満足に編集作業ができない。
氷河をバックに1枚。GoProから静止画を切り取ったけど解像度が低い。
マッターホルンとのショット。
帰りは1駅だけ山を下りました。下りは足に負担がかかる。普段山登りなんてしないから、結構きつかった。
下った先の駅の近くにある池。時間帯によっては、水面にはっきりマッターホルンが映りそう。
帰りは18時半くらいの電車に乗って下山。マッターホルンの奥に太陽が沈んでいく。
電車の窓に反射した沈みゆく太陽とマッターホルンと線路。お気に入りの一枚。
もうなんていうか、求めてた風景は全部ここにあった。
たいていの風景は、絶景本やガイドブックなどで見たベストショットの理想と現実のギャップに「まあ実際はこんなものか」と感じることがある。
スイスのツェルマットの風景は写真を超えていた。目で見るのだけではなく、五感で自然の壮大さ感じた。
下山後、夜ご飯を食べようと町をさまよった。
イタリアを超える食事の価格に驚愕する。15フランとか20フランが当たり前。
その結果、僕は
マクドナルドに行った。
マクドナルドもノーマルなハンバーガーが2.5フランしたけど。